水道民営の本家はフランス

 世界の水三大企業は、ヴェオリア、スエズ、テームズ。Water Baron(水男爵)とも呼ばれる。前社二つはフランス企業。

 ヴェオリアのジーン・ミッシェルは「水道は我々の仕事。我々の歴史的課題だ」と語る。1998年、アルゼンチンのサン・ミゲル・デ・トゥクマン市が、水道料金高騰や水質悪化を理由に、ヴェオリアとの契約を破棄した。すると、ヴェオリアは同市を民間の仲裁法廷に提訴した。その結果、ヴェオリアが勝訴し、1億500万ドルの賠償金を手にした。

 フランスとアルゼンチンが締結していた投資家対国家紛争メカニズム(ISDS)に基づく提訴で、自治体の正当な政策判断も、企業側からみたら「利益を損ねた」ことになるとして国際的に有名になった裁判だ。 実はこのISDSこそがTTP協定に盛り込まれた危険な条項なのだ。

 スエズのヘレーヌ・ヴァらでヴァラデは「水は私たちの命だ。生物多様性の基礎であり、水がなければそれも存在できない」という。しかし、スエズがボリビアで提供した水道サービスでは、料金と水道への接続料が高騰した。2005年、ボリビアの人々は一斉蜂起し、死者も出る大事件となった。コチャバンバ水戦争という。 (「最後の一滴まで」から、文責:伴武澄)

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